──7thアルバム『Another Day』は、オールディーズやソウルミュージックへのオマージュを込めながらもスタイリッシュなサウンドと、その心地良いグルーヴに最後まで酔いしれました。ヒップホップというジャンルを超えて、幅広い年齢層の音楽ファンの耳に響きそうに思います。韻シストさんご自身によるプロデュース作品ですが、いつ頃から制作をスタートされたのでしょうか?また、制作にあたって、特にこだわったのは、どのようなところですか?
サッコン(MC):今回のアルバムのこだわりはバンドサウンドです。打ち込みを全面に押し出すよりもバンドとしての生々しさの強みを生かしたいという意識がありました。その分全体的に温かみのある音が心に残ると思います。
──収録曲にタイトルナンバーはありませんが、『Another Day』というアルバムタイトルはどのように決められたのですか?
BASI(MC):ファーストミニアルバム『ONE DAY』の頃のような緩さを追求し、タイトルは「19年後のある日」という感覚で『Another Day』というワードに繋がりました。
──MCのBASIさん、サッコンさんが、共作も含め収録全曲の作詞をされています。曲を聴いている時は言葉がスッと耳に入ってきますが、歌詞を読むと、例えば「Don’t leave me」の「ほんの勢いで言うわけじゃないが~」から始まるところや、「Party is…」の「別に遊んでばっかじゃないぜ~」のところなど、物凄い言葉数、文字量に驚きました。ちなみに、今作の収録曲で、歌詞がオススメの楽曲や、作詞に苦労した楽曲がありましたら、お聞かせいただけますでしょうか?
サッコン:「JAM&JAM」の歌詞は、まずドラムの疾走感を聞いた時に、まるでドラゴンボールに出てくる悟空が筋斗雲に乗っている時くらい気持ちいいリズムに絡まったラップをしたいと思いました。ラップの楽しさや独りでは完成できないバンドの快感を感じてもらえるよう歌詞を書きました。
──ライブで盛り上がりそうなキャッチーなナンバーから、ラップにソウル、さらにレゲエまでバラエティに富んだサウンドが耳に残りますが、レコーディングはいかがでしたか?
BASI:レコーディングにかけた時間は、制作含め1ヶ月です。フラットなテンションでこのペースを保っていたので、レコーディングスキルは確実に成長したと思います。
──それでは、収録曲についてお聞きします。アメリカの青春映画のダンスパーティーを彷彿とさせるような「Intro」に続く2曲目の「Don’t leave me」は、クラップとコーラスが印象的なライブで盛り上がりそうなナンバーです。久しぶりの休日に、恋人に大切な告白をしようとする主人公を描写した歌詞もユニークですが、どのような発想から作詞をされたのでしょうか?
サッコン:「Don’t leave me」は、Bassのshyouが情けない男をテーマにした歌にしたいということでできた曲でした。HIP-HOPではなかなかそんなテーマの曲がないのですごく新鮮でした。ハッキリ物を言えないモジモジした男をイメージしていますが、曲は明るいので何だか憎めないどうしようもない奴感が出ていると思います。この曲を聞いて頂いたら、そんなあなたの周りにもいそうな男の状況が眼に浮かぶんじゃないかと思います。
──「Don’t leave me」はミュージックビデオを制作されていますが、どのような作品に仕上がりましたか?また、撮影はいかがでしたか?
BASI:同じローケーションに5人いて、映るシーンはラストシーンの一箇所のみ。こういった構成も今までの韻シストになかったこと。「プレゼントを持って歩く」「椅子から立ち上がって歩く」など、ラップ以外のパフォーマンスにトライできたこともありがたい収穫です。
──5曲目の「are sore kore」は、タイトルからは想像も付きませんでしたが、「歌もRapもイケてるむっちゃall round/are sore koreって結局韻シストSound」、「クラブで流れてる踊れるサウンド」など韻シストさんのバンド紹介のような歌詞です。いつ頃制作された楽曲なのでしょうか?
サッコン:今まで韻シストでやってこなかったリズムに乗せて、改めて「俺たちはこんなバンドなんだ」という紹介の曲にしたいというイメージを持って、guitarのtakuがアルバムのデモ作り時期にhookを考えてきました。歌詞の内容はあくまでもライトなんですが、妙に、何故かハマる曲の気持ち良さがあるので是非聞いてもらいたい1曲です。昔読んだ本が、前はそうでもなかったのに、改めて読むと何て面白いんだ!と感じるようなそんなARTのもつ不思議さを伝えたい曲です。
──8曲目の「Jam&Jam」は、ギターとMCのスリリングな掛け合いに惹き込まれるファンキーなナンバーですが、アレンジはどのように進められたのでしょうか?
BASI:今作は「Jam」がひとつのキーワードだったので、この曲に対する思い入れは全員強かったと思います。制作時は『ONE DAY』の頃を強くイメージしていたので「デンジャーな道を走るリベンジャー」と『ONE DAY』収録曲「リベンジ」から自らサンプリングしました。
──9曲目の「Touching The Sky feat.ルンヒャン」は、タイトル通り、一面の青空に突き抜けるような歌とサウンドが耳に心地良い爽快なナンバーです。どのような経緯から、シンガー“ソウル”ライターのルンヒャンさんとコラボレーションされたのでしょうか?歌詞も共作されていますが、作詞はどのように進められたのでしょうか?
サッコン:groove villadgeというレーベルをPUSHIMさんが立ち上げて、そこに韻シストが参加することになったんですが、レーベルのイベントで共演したり、BASIが楽曲で共演したり、お互いのライブにゲストで呼び合ったりとフレンドリーな関係がありました。その後、GROOVE VILLADGEのコンピレーションアルバムで一緒に1曲やらないかという話があり、せっかくなんで韻シストのアルバムにも入れられるような曲を作ろうということになりました。制作は東京と大阪で別々だったんですが、事前にメロディーをハミングしたデモトラックをGUITARのTakuとPUSHIMさんとルンヒャンが作っていたので、そこからイメージを広げていきました。歌詞はルンヒャンも韻シストもやっぱり前向きなメッセージを歌に乗せるのが好きなので、それを1番大切にしました。
──そして、今作を引っ提げ、11月には東京と大阪でワンマンライブツアーが決定しています。ワンマンライブツアーに向けての抱負をお聞かせいただけますでしょうか?
BASI:ライブは、一番の楽しみですね。子供から大人まで必ず楽しめます。韻シストがこの19年何をしてきたのか。そして20年目を前に、どんなショーを見せるのか。遊びにきてムーチョ。
2. Don’t leave me
3. ピースマインド
4. Call me
5. are sore kore
6. Party is…
7. Your dance
8. Jam&Jam
9. Touching The Sky feat. ルンヒャン
10. to you
11. ライムにならない
12. W
13. やっとけば
【CD情報】
アルバム
発売:2017.07.19
TKCA-74460
徳間ジャパンコミュニケーションズ
2,778(税抜)
CD購入
オフィシャルサイトはコチラ!
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韻シストONE MAN LIVE 2017
NEW ALBUM『Another Day』RELEASE TOUR SPECIAL
11月10日(金) 東京・Shibuya WWW X
開場18:00 / 開演19:00
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999 (平日12:00~18:00)
11月17日(金) 大阪・アメリカ村BIGCAT
開場 18:00 / 開演 19:00
(問)夢番地 06-6341-3525 (平日11:00~19:00)
チケット:¥4,500(税込 / オールスタンディング / ドリンク別)
※最新のLIVE情報はOfficial HPをチェック!
http://www.in-sist.com/
生々しく、独創的なサウンドとグルーヴィーで極上なライブパフォーマンスに定評がある、大阪をベースに活動するヒップホップ・バンド。数度のメンバー・チェンジを経て、2MC(BASI、サッコン)、Gu(TAKU)、Ba(Shyoudog)、Ds(TAROW-ONE)からなる鉄壁の現メンバーとなる。1998年結成当初から大阪を拠点として活動し、日本におけるヒップホップ・バンドのパイオニア的存在として、またミュージシャンズ・ミュージシャンとして高い評価を受け続けている。2001年3月、デビュー作となるミニ・アルバム『ONE DAY』(RD RECORDS)をリリース。以来、これまでに5枚のフル・アルバム、4枚のミニアルバム、4枚のシングルをリリース。TAKU、Shyoudog、TAROW-ONEからなる韻シストBANDとしても1枚のアルバムをリリースしている。その他、客演作も多数。2016年にはPUSHIMが主催するレーベル“Groovillage”へ合流。6月15日には通算6枚目、約2年8ヶ月振りとなるオリジナル・アルバム『CLASSIX』をリリース。偶数月には大阪、東京での主催イベント「NeighborFood」も開催中。評判が評判を呼び満員御礼で継続開催されるなど、大阪、東京を中心に各地で韻シスト・マニアがじわりと、そして確かな足取りで増殖中。2017年7月には、新たな韻シストサウンドを縦横無尽に展開した意欲作『Another Day』をリリースする。
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