倖田來未(以下、倖田):これまでの夏のシングルが“HOTな夏”だとしたら、今回は“COOL SUMMER”がテーマ。力んで頑張ってる雰囲気よりも、あくまでも音楽を楽しんでるっていう気持ちを伝えたいなって思ったんですね。スタッフとも、いい意味で、力の抜けた、リラックスしている女性観で創れたらいいよねって話してて。だから、ちょっと涼しい夏を意識出来るような楽曲だったり、Music Videoだったり、ジャケ写だったりになってます。
倖田:アルバムに続いて、今回もまた、新しい倖田來未の顔が見たいって思ったんです。普通に考えれば、2曲目の「MONEY IN MY BAG」の方が“ザ・倖田來未”っていう感じがするけど、私もファンも想定内のものでは、おもしろくないなって思って。そういう意味では、「HOTEL」は、いわゆる倖田來未らしい楽曲のカテゴリーには入ってない曲だったけど、やりきってみたいなって思ったんですね。歌詞を書いて、歌入れをして、衣装やメイクを決めて、フリを入れて、MVを撮って、ジャケ写を撮って……。塗り絵みたいに、どんどん色付けていくことで自分の世界観に近づいていった。最終的に自分で納得のいく1曲に仕上がったのは、最初に塗り絵の下地となる楽曲を見つけてくれたスタッフはもちろん、スタイリストさんやヘアメイクさん、コリオグラファーや監督さんがいてくれたからだなって思いますね。
倖田:例えば、今回、ダンサーさん6人に振り付けをお願いして、その中から楽曲の世界観に合ったフリを選んでて。MVの中盤に黄色い空間で踊ってるダンスがあるんだけど、あのフリを見たときに、この曲はヒップホップにも聴こえるサウンドなんだなっていう新しい発見もあったんですよね。スニーカーで女性らしいアレンジで踊ってるシーンも新鮮だった。要は、オーナーは私だけど、常にみんなの意見を聞いて成長していこう、前に進んでいこうっていうのが、この“Kumi’s Hotel”のポリシーだと思う。歌詞と映像は、文句のつけどころがない、快適に過ごせるホテルの中には、あなたの知らない空間があるっていうテーマで創ってて。さわやかな空間もあれば、また違った部屋も用意しているし、倖田來未らしいセクしーさもある。今年の夏は、倖田來未というホテルで、ぜひみなさんに遊んで欲しいなと思います。
倖田:倖田來未というホテルはどこにあるか?と聞かれたら、やっぱりライブだと思うんですね。当然、倖田來未の楽曲選びの根本にあるのはライブで、この曲はライブで歌ったら絶対に盛り上がるなって思ったんです。歌詞も、とてもやんちゃな女性の表現になってて。私のことが好きなら、お金を鞄に詰め込んでねって。私の価値を計るのは、お金だ、と。が一番わかりやすいわ。って相手からの評価を知るには、プレゼントが最適で、その人 が持ってるもの、全てをくれないとイヤよっていう歌詞になってますね(笑)。
MVの監督は、沢山の作品を作って頂いているセキ☆リュウジさんで、夜のビカビカな工場地帯を背景に、船上で撮影して。こっちもヒールではなく、スニーカーで踊ってるんですけど、足を180度開脚するシーンでは大きなアザを作ってしまって大変でした。オシャレはガマンと一緒で、いいものを創るにはガマンが大事(笑)。私の好きなHIP HOPのエッセンスの入った激しい楽曲の最新バージョン。
倖田:もしも彼がいなくなってしまったら……当たり前に思っていた日常の些細なやり取りがなくなってしまったときに、どんな思いになるかなって想像しながら書きましたね。全てが愛おしかったのに、それはもう過去の夏の思い出になってしまっている。記憶は残ってるけど、もう一度、あなたに振り向いてほしいっていう、切ない女の子の想いを歌った楽曲です。
「HOTEL」でリゾート気分を味わい、「Money in Back」で少しだけハメを外したドライブへと出かけ、「TURN AROUD」で海沿いの夕暮れの風に触れる。「HOTEL」は聴くだけで南国のバカンスへと飛んでいける1枚となっている。
この夏、倖田來未が、曲、歌詞、ダンス、衣装、写真、映像と細部にわたってこだわって作り上げた「HOTEL」へ訪れてみて欲しい。
TEXT BY 永堀アツオ
01.Introduction 〜Check IN〜
02.HOTEL
03.Interlude 〜Secret Room〜
04.MONEY IN MY BAG
05.Interlude 〜Last Night Dream〜
06.TURN AROUND
シングル
発売日:2014.08.06
rhythm zone
RZCD-59645/B
1,800(税抜)
[CD ONLY]
シングル
発売:2014.08.06
rhythm zone
RZCD-59646
1,200(税抜)
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