2013年第一弾となる3rdシングル「らへん」は、“疲れたから会わないんじゃなくて 疲れたから会いたい”と想い、君にとっての“そこらへん”と、僕にとっての“ここらへん”が1つでありたいと願う、最愛の人との日常や愛情、繋がりを、近藤晃央独自の視点で綴った現代における究極のラブソング。プロデュースには椎名林檎、平井堅など数多くのアーティストを手掛ける亀田誠治氏を迎え、“ここに居る”ような臨場感溢れるアコースティックギターと唄に、優しくこころに響くピアノと壮大かつ重厚なストリングスがひとつになった、真摯で壮大なバラードが完成。“唄”と“言葉”を余す事なく、聴くもののこころに届けます。
「フルール」でデビューしてから約半年経ったわけなんですが、振り返ると、デビューしてから特別何か変わったわけではないのですが、やはりこうやってネットやテレビ、ラジオ、雑誌などメディアをきっかけに僕の事を知ってくれる方が多いんですよね。普段はなかなかそういう反応が分からなかったりするんですが、ライブで各地にお邪魔すると、僕やスタッフが思っていたよりも、遥かに広い世代の方々が足を運んでくださって。アニメの影響もあって小さいお子さんも沢山来てくれますし、中には“AMラジオで「フルール」を聞いて好きになりました”って、おじいちゃんおばあちゃんも足を運んでくれたり、サイン会にも男性が沢山並んで下さったり。
ターゲットを絞ってる訳ではないんですが、自然に“こういう世代の人が多いんじゃないか”と思っていたのが見事に裏切られたので、それは本当に嬉しい誤算というか、逆に今後の音楽人生で大きく影響されてくる大事なポイントだと思っています。
この曲は音楽を始めたばっかりの、かなり初期にできた曲なんですが、“人や、想いが重なる”という場所を考えたときに“ここらへん”という曖昧で少しぼやけているけど、何とも言えない優しさに包まれた言葉が自然に出てきて。そこを始まりに、人を想う事で自分の事さえも大切にできたら、その人にとって自分もそうなれたら、というシンプルなテーマで書き上げました。
僕は心底疲れた時って、いつも1人になりたい、孤独になりたいってタイプの人間でした。誰も構わないでくれって。
でも、そういう時にこそ側に居て欲しい人に出逢えて、でもそれを素直に言えなくて、そこから“言葉じゃどこか足らない 言葉じゃどこか余計な こんな気持ちを君に伝えるにはどうしたらいい?疲れたから会わないんじゃなくて 疲れたから会いたい”というサビの歌詞が産まれました。
人にこの想いを伝えるために、その人にも同じ気持ちになってもらえるような人間になりたい、遠回りかもしれないけど、そういう気持ちで歌詞を紡ぎました。
“ここらへん”とか“そこらへん”っていう意味なんですけど、本来、場所を特定できない少し曖昧な言葉なんですが、その揺れみたいな、ぼやけてる姿が“人の重なり”だったり“交わり”とリンクして。
今はまだ交わり始めた瞬間だけど、いつかは“らへん”という言葉は無くなって、“ここ”とはっきり言えてしあえる関係になれるのかもしれませんね。
亀田さんとは、東京事変さんのツアーで、楽屋にお邪魔して初めてお会いしたんですが、僕自身が東京事変さんや椎名林檎さんの一方的なファンだったので、第一印象は“亀田さんだ!”でしたね(笑)。本当に気さくで、温かくて、音楽に対してすごくポジティブな方で、一緒にやらせて頂いてすごく楽しかったです。
当初、この曲には2番が無かったんです。でも、亀田さんから“2番を作ってみないか”と、ご提案を頂いて、最初はずっと歌ってきた曲の形を崩す事に若干の抵抗があるかなぁと思ったんですが、自分自身でも“曲を成長させるためにトライしたい”という気持ちが自然に生まれて2番を作りました。1番と作った時期が違うので、自分の中でその時間の差ををプラスに表現できたら良いなぁと思ってて。
改めて完成した歌詞を亀田さんに持っていった時に“僕の音楽人生でこの視点から歌詞を書ける人は近藤くんが初めてです”という亀田さんの言葉には本当に救われましたし、トライして良かったと思ってます。レコーディング中にも亀田さんを始め、バンドメンバーのカースケさん(ドラム)、斎藤有太さん(ピアノ)、石成正人さん(ギター)、金原千恵子さん(ストリングス)、皆さんから“いい曲だなぁ”と言葉を頂いて、心の底から嬉しかったし、だからこそ、この曲をしっかり届けていきたいと思いましたね。
アコースティックver.は、つい最近レコーディングしたんですよ。バンドの方もレコーディングして頂いたエンジニアの工藤さんとマンツーマンで試行錯誤して作りました。
この曲はもともと弾き語りで歌い続けてきた曲なので、イントロなど、弾き語りverの名残をそのまま残してます。歌はあえて、バンドの時と同じテイクを使ってるんですが、聴き比べるというよりも、シーンや気持ちによって、聴き分けてみるのも楽しいかもしれないですね。
3月2日より放映開始した第3弾「らへん」編は、僕自身は出演していないんです。
もともとこのTOHOシネマズメッセンジャー企画は僕が演技をする企画ではなくて、過去2回の第1弾、第2弾は、“この歌はこの人が歌ってます”と、少しずつ認識してもらえたらという思いでお芝居させて頂いたんですが、今回の第3弾は、監督の井上春生さんが「らへん」の曲の特性・世界観をもとに考えてくださって、セリフなし&曲を流しっ放しという新しい試みになりました。どちらかというとショートムービーというよりも、ロングCMのような仕上がりになっています。
主演の広瀬アリスさんの温かい表情を見ていてキュンキュンしました。ぜひ色々な方に見て頂きたいですね。
この曲はシチュエーションというものが存在しません。場所や、時間、名詞がほとんど出てこないんですよ。
そこにあるのは、僕と、君と、そこにある想い、だけなんですよね。
人を思う、自分を想う、お互いを思い合えるように、歌ってるのはそれだけの事なんです。
聴いてくれた方が、自分と重ねるというよりも、その人自身になるような歌になってくれたら嬉しいなと思います。
毎回カップリングは、タイトル曲が決まってから作るんですけど、今回も「らへん」の次に収録される曲という事を意識して作りました。シロフォンの音色やメロディーラインがポップなのに対して、曲が持つ世界観はすごく直向きで、面白い雰囲気を持った曲になりましたね。
まず“告白”というテーマが先に見えてて、あんまり難しい歌にはしたくないな、という思いがありました。普段生活してると、言葉ですべてを伝えるのは難しいからこそ、本来は必要じゃない言葉を足してしまう事が 自分自身にも多くて。シンプルに伝えたいことを伝える、その時間軸と間を書きました。
“君と、君を想う僕と、僕等それぞれを、愛せたこの気持ちちゃんと伝えなきゃな”っていう歌詞はこの曲の芯になっている部分だと思います。
君が好きです、君が好きな自分も好きです、最後にはそんな“僕等”が好きです、ってちゃんと告白できたらいいなぁという思いで付けました。それぞれ違う“3度”の告白があるなかで、2度の“好き”は歌詞の中で登場しますが、3度目はこれから伝える時間軸で書いたのであえて書いてません。
僕はいつもサビで感情的になるというか、温度が高い傾向があるので、サビを落ち着かせた曲を作りたいなぁと思ったところから組み立てていきました。この曲は後半で、えげつない転調があるので(笑)。そういう冒険心も反映させましたね。
告白って衝動的な部分が多いし、その時間だけでは到底すべてを伝えることはとても難しい。それでも、気持ちを人に伝えるとき、どうせだったらその先を予感させる言葉を選びたい。器用じゃなくとも、危なっかしくとも、しっかりと伝えたい言葉に向かっていく直向きさって、男性ならではと思うんです。
そういう格好悪さとか、ふがいなさが何処か存在してるところがあるんだよって女性にも気付いてほしいですね(笑)。
本当に楽しみですね。
まずは、東京、大阪、福岡、名古屋で、今回は対バンツアーで行う予定です。もちろん作品は発売して完成ではなく、歌い続けて形を変えていくものだと思うので、新しい発見と、出逢いにワクワクしています。
最近では珍しいほど多い収録曲数と、収録時間も長くなりそうなので、聴いてて疲れるんじゃないかと心配です(笑)。
でも、今回のアルバムはシングルとして予定してたものも多く収録して、自分の中でポップな曲を多くセレクトしているので、意外だと思われるかもしれないですね。こんな曲もあったんだ、と。楽しみにして貰えてると嬉しいです。