花が散るときの儚さや美しさという日本人特有の美意識や心情を表現した「フルール」は、昭和の歌謡曲から影響を受けた近藤晃央の音楽的魅力が詰まったラブソング。いきものがかり、aikoなどを手掛ける島田昌典氏がアレンジ・プロデュースを手掛け、壮大なストリングスと強弱織り交ぜたバンドサウンドが聴きごたえ抜群のミディアムバラードに仕上がっている。
デビュー前にして“ap bank fes ’12 Fund for Japan”や、9月1日(土)にナゴヤドームで開催された“第2回東京ガールズコレクション in 名古屋 2012”に出演し、メジャーデビューへ着々と歩を進める近藤晃央。2012年、心の隙間を癒す彼の存在が、聴く者の心をとらえて離さない!!
色んな音楽を聞いて来て“今ならポップスをやりたい”と原点に戻れたことですね。
年齢的にも遅めのスタートだったので、やるならこれが最後のチャンスだと思いました。
音楽活動を始めて、まず東京、横浜でストリートライブを始めました。
活動を始めてすぐオーディションをきっかけに今のレーベルに入り、曲作りを重ねてきました。
すごく “現実的”なラブソングに仕上がったと思います。
でもメロディーやアレンジはすごくアグレッシブで、冷静な気持ちをここまで高い温度で歌った曲はあまり無いのかなぁと思います。
レコーディングはすべて生演奏で録音したのですが、ストリングス録りは人生で初めてだったので、音色が綺麗ですごく感動しました。
島田さんは僕の音楽的な好みを自然に感じ取って下さる方で、本当に素晴らしいアレンジをして頂きました。レコーディング中に、島田さんが“良い曲だなぁ”って言ってた時は勝手ながら手応えを感じてましたね(笑)。そういえば、その時に島田さんに本をプレゼントしたんですよ。元中日ドラゴンズ監督の落合さんの息子さんで、落合福嗣さんの“フクシ伝説”という本なんですが(笑)。すごく笑ってて、すぐに島田さんが自分でTwitterにアップしてらっしゃいました。
江口さんはデビュー前からずっとデモ音源を一緒に作ってきてくれた方なので、メジャーリリースでも絶対一緒にやりたいと思ってたんです。奇想天外というか、こういうアレンジをポップスのフィールドでする方はこの人しか居ないと思います。昔、名古屋で江口さんのバンドのライブにも行った事があるので、色々な縁も感じます。
人を好きになっていく過程や、長く時間を共有する間に、好きな人の事を、ときに“好きになった分だけ嫌いになる”と思う事がありました。
その気持ちを<“散る”のに“美しい”>花びらと重ねて、“嫌いな部分も、どこか愛しくて、ホッとしてしまう”“嫌いな部分を知っているからこそ、好きと言えるのかな”と思えるのかな、と気付いたところが始まりでした。
<“散る”のに“美しい”>という日本人独特の花に抱く感情と、人を想う気持ちを重ねています。
シンプルなタイトルにしたかったんですけど、“花”や“フラワー”という曲は沢山あるので、自然に「フルール」になりました。響きも優しいので、激しいこの曲とのギャップも面白かったので。
マイナーコードを多用しているので、落ち着かせ過ぎると“重く”なってしまうんですよね。
そこを重くせずに、感情的にするバランスはすごく大切にしました。
この曲の雰囲気に合わせて、四ッ谷や月島の路地裏で撮影しました。
昭和から残る“情緒ある日本の風景”ですごく生活感が出ています。
落ち着いて歌ってる所と激しく歌ってる所がそれぞれ別れているので、表情には注目して欲しいですね。
“好きで、嫌い”とか“強くて、弱い”とか正反対の言葉を多く使っています。
人を好きになるという事は、“プラス”に惹かれるだけでなく、“マイナス”を許せる、受け入れられる事なのだ、と歌っている部分を伝えたいですね。
“上を見る”と“下を見る”の間は“前を見る”と言うのに、“笑ってる”のと“泣いてる”の間は、どうして“無表情”と言うのだろう?と、思った事が切っ掛けです。
生きてる中で“無表情”で居る時間が一番長いはずなのに、本当にそこには沢山の感情があるのに、“無”と呼ばせたくない、葛藤する思いを表現しています。
温度を持たない言葉なので、逆に面白みがあってすごく気に入っています。
音と音の“スキマ”を作る事ですね。バンドサウンドでも、結局僕はソロアーティストなので、しっかりと“歌もの”にする為に、歌の居場所を狭くしないようには意識しています。
イントロのフレーズは僕が考えたものを、そのまま使っているんですけど、ここにも昭和歌謡に影響された音使いが反映されててすごく気に入っています。
すごくネガティブなところから始まるんですけど、少しずつ、少しずつ、曲中にポジティブになっていく姿を追いかけて欲しいです。