見慣れた日常やティーンの心象をまっすぐに描き、年代・性別に関わらず聴けば共感・追体験出来るような歌詞が最大の魅力であることから、“シンクロ系女子”の異名もとるシンガーソングライターだ。
中学時代から曲作りを始め、2009年、高校1年生で出場したYAMAHA 主催のオーディション“The 3rd Music Revolution”でグランプリ受賞。エントリー曲「ユメノナカ」は、夢の中では好きな男の子と仲良くできるのに、実際には目を合わせることもできない・・・そんな臆病な女の子の恋心を描いた片想いソングで、特別審査員を務めた秋元康氏が絶賛。特別審査員賞もダブル受賞し、大きく報道され一躍有名に。高校生ながら、道内を中心に、テレビ主題歌やCMソングなどを多数手掛けてきた。デビューアルバム『ツナガル』も、全11曲中8曲がタイアップソングという構成だ。
タイトル曲の「ツナガル」は、さっぽろ地下街40周年記念事業キャンペーンソング(2011年)として、“つながる”をテーマに書き下ろされたナンバーだが、東日本大震災以降、“つながる”ということが一気にクローズアップされる中、様々な想いが重なり、また、上京を機に、自身と故郷の“つながり”という想いも加わり、とても大事な1曲に。
アルバムでは、中学生の時に書いたという曲も披露。中学時代は、軟式テニス部の部長として全国大会出場も経験。勉強もテニスも音楽も全部頑張りたいと奮闘するなか、“チャンスは突然やってくるものだから、諦めたら終わり”と自身を鼓舞する「1.2.3」、♪おしゃれはせいぜい筆箱の中〜というフレーズが如何にも部活少女らしい初恋ソング「秒速50メートル」、部活に没頭した日々を振り返り、♪歩いたこの道 間違いはないよ〜と歌うちょっと切ない「FAIR WIND」など、リアルな青春ソングが並ぶ。
友達の失恋をキッカケに生まれた失恋応援ソング「Crying girl」、浪人生の先輩の言葉を思い出しながら書いた「リトライアル」、自分自身の卒業ソングだと言う「ハルバル」などは、高校生活に根付いた親近感が湧くナンバー。自身が大の遅刻魔だと言う彼女ならではの、遅刻した朝の焦りと、一日の始まりのワクワク感を描いた「Good Day」も楽しい。
一方で、本当に大事な人が弱っている時に励ましの言葉もかけづらく素通りしてしまう…そんな本音を綴った「snow」や、バブル崩壊後に生まれ、大人の都合で色々振り回されて来た世代の反抗心を吐露した「Paradox」など、彼女ならではのメッセージ・ソングも新鮮。
これから、どんな歌を聴かせてくれるのか。今後の活躍が大いに気になるニューカマーだ。