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22/7「ナナニジフェス 2019」2019年7月22日 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

イベント 音楽

 今年で3回目となる〝22/7の日〟の722日、東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて『ナナニジフェス 2019』を開催した22/7SHOWROOMにて月イチ配信中の「ナナニジROOM」でもMCを務める天津向の呼び込みでステージに登場した11人は「フェス=お祭り」に相応しい正装ということで……何とも華やかな浴衣姿! 一人ひとり、この日のために選んだ柄や着こなしのポイントとともに自己紹介し、可憐な個性を咲かせていく。 

 前半は、どこからか聞こえてくる祭り囃子の音に乗せて始まったバラエティコーナー「22/7の夏祭り」。天城、倉岡、高辻、武田、花川の「teamパリピ」と、海乃、西條、白沢、涼花、帆風、宮瀬の「teamセクシー」の2チームに別れ、白熱の五番勝負を繰り広げることとなった。ペアになって抱き合い、間に挟んだ風船を割る「風船割り」では、愛らしい猫とうさぎがじゃれ合うような高辻と花川、必死に背伸びしてグループで一番長身の海乃に抱きつく宮瀬と、仲の良さを見せつける。また、両チーム引き分けで迎えた最終決戦「花火デートで告白」は、花火の上がる音を合図に始める妄想シチュエーション勝負。「かな姉じゃなくて、かなえって呼んでよ」と、会場中を一瞬にして〝年下の幼馴染〟に変えてしまった先行・白沢の圧勝かと思いきや、まさかの「あれは花火じゃない、戦の始まる音だ!」と、愛する人を守るべく立ち上がる少年になりきった後攻・天城が、男性の心に潜む乙女心を揺り動かし、番狂わせの結末を得た。賞品に高級スイカの目録が贈られ、喜びにはしゃぐ「teamパリピ」。罰ゲームとして、倉岡の特技である花火の効果音に合わせ、ドーンと打ち上がる花火を全身で表現した「teamセクシー」の熱演が、にぎやかな笑いの一幕を締めくくった。 

 「22/7は、11人。それを信じて活動してきました」。メンバーが退場し、そんな言葉に始まるムービーが流れ出すと、会場はしんと静まり返る。映し出されたのは、オーディションの対象であった8キャラクターを得たメンバーたちのステージを、ただ、じっと見つめる涼花、高辻、武田の姿。ともにデビューを果たしながら、キャラクターを持たない3人は、ライブ中にも〝8人曲〟となるとそっと姿を消し、ときにキャラクターライブを盛り上げるための影ナレーションを担った。互いの「あきらめない」熱で支え合うかのように肩を寄せ、どんなときも8人に負けない笑顔で。そして、今――。 

 暗転したステージに、うつむきがちに現れた西條。それを取り囲み、群像劇が如く行き交う10人。茜色の空を思わせる新衣装を纏った11人が、凛と顔を上げた。ついに初披露となった、22/7初のフルメンバーによる4thシングル「何もしてあげられない」。激しくも繊細なパフォーマンスと、葛藤の日々をなぞるかのフレーズが、あるべき姿を取り戻した強さを感じさせながら、我々を彼女たちの物語の中へとドラマティックにいざなっていく。一人ひとりの眼差しから、目が離せない。誰もが、息を呑んでいた。やがて解放の後、喝采が巻き起こる。 

 この楽曲に込められた「集団の中の孤独」というテーマについて、西條は「大切な人に何かしてあげたいのに、何をすることがその人の助けになるのかがわからなくて、結局、何もしてあげられなかったり、知らないうちに傷つけてしまうこともある」と、解説。他の10人を割るように後ろから登場する〝麗ちゃんモーゼ〟と呼ばれる振りが好きだと言われた高辻は、込み上げてくる感情をこらえながら「あいなっち(武田)、萌ちゃん(涼花)と3人の歌割りが、すごく嬉しいです!」と無邪気な笑みを見せた。 

 昂ぶりを癒やす「やさしい記憶」、そして「不確かな青春」。互いに交わし合う穏やかな笑みの中に、恋をするように22/7と出会った彼女たちの日々がキラキラと輝く瑞々しいメドレーだ。 

 さまざまな喜びを分かち合ってきた、これまでの〝22/7の日〟。帆風がリーダーに就任したのも、1年前のこの日だった。「(告げられたときは)すごくビックリしたけど、あの後、楽屋で『いつも通りのちはるんで良いんだよ』と言ってくれたおかげで気負うことなくやって来れた。みんなこそ、いつもありがとう」と、照れくさそうにはにかむと、ファンに向けて「722日といえば、何か楽しいことをする日にしていきたいな。これからも、私たちと一緒に歩んでいただけますか?」と、グループを代表する思いを届けた。 

 ここからSHOWROOMにて生中継されるということで「全世界へ向けて、ナナニジのライブの熱を伝えよう!」と激しく煽る。「韋駄天娘」からの「未来があるから」という熱狂のアンセム。ファンの頼もしいコールを受けながらほとばしるメンバーの躍動が、会場を揺らした。 

 アンコールに代わる「ナナニジ」コールが湧き上がる中、突然のサプライズ! デビュー曲「僕は存在していなかった」に乗せ、22/7の「2020年1月テレビアニメ化」を伝えるムービーが流れると、この日一番の歓喜が響き渡った。ライブTシャツに着替え、再登場したメンバーが祝福を浴びる。気丈な帆風から涙があふれ、天城もまた真っ赤な目で声を震わせながら感謝を届けた。「アニメ化の発表から今日で丸2年。ファンの方たちが、ずっと変わらず応援してくださったおかげで、ついに実現させることができました。22/7を結成したときからの目標を達成できたことは嬉しいけれど、でも、これがゴールではなく、さらなるスタートになることを願っております。どうぞ、応援よろしくおねがいします!」 

 嬉しいお知らせは、まだ終わらない。初出し情報の一つとして、デビュー日である920日、マイナビBLITZ赤坂で『Anniversary Live 2019』を開催することを発表。昨年は『22/7 計算中』のイベントとして、MC・三四郎の力も借りて同会場を満員にしたが、今回は自分たちの力で成功させたいと意気込んだ。普段、なかなかMCで口を開かない西條も「アニメの放送に向け、逃げずに頑張っていきたいです」と、つぶやくように素直な思いを伝える。 

 ラストナンバーは、1stシングルに収録された「11人が集まった理由」。優しく爪弾かれる弦に合わせたアコースティックな楽曲だが、フルメンバーでのデビューを望んだ彼女たちの絆の証であり、歌声は力強い。横一列に並んだ11人は、新たな決意を胸に、次なる一歩を踏み出す。 

 一人ひとりの名を呼ぶ声、鳴り止まない拍手に見送られ、こうして11人がステージに立ち続けるというセットリストが組まれた歴史的な一夜は幕を下ろした……かと思いきや、彼女たちの退場後には、初めて11人のキャラクターが描かれる「何もしてあげられない」のMVまで初上映された。道は、続く。その瞳の輝きが切り拓いた〝11人+11人〟の未来へ――。 

ライター:キツカワトモ

カメラマンクレジット:中原幸・青木早霞

 

(セットリスト) 

M1. 何もしてあげられない

M2. やさしい記憶

M3. 不確かな青春

M4. 韋駄天娘

M5. 未来があるから

En1. 11人が集まった理由

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