9月に1stアルバム「webbing off duckling」を発売後、各所で話題沸騰中のw.o.d.が、初の自主企画を東京・大阪で開催することが決定した。
1月22日(火) 大阪・心斎橋Pangeaには、The Suspended 4thと1バンド、1月25日(金) 東京・下北沢 近松には、ニトロデイとNo busesの出演が決定しており、どちらの公演も今注目のバンドが集まったイベントとなりそうだ。大阪公演に出演するもう1組は、近日発表とのことなので楽しみにしていて欲しい。
都内ライブハウスを中心に、圧倒的なパフォーマンスが話題となり、全国的にその名を轟かせ始めているw.o.d.。若手バンドシーンの中で台頭しつつあるオルタナ、グランジサウンドの最重要バンドである彼らの今後の動きから目が離せない!!
w.o.d.とは…
7月3日、渋谷・WWWで開催された“次ロッ研 presents「第二回研究発表会」”。次世代ロック研究開発室がプッシュするバンド/アーティスト4組が出演したショーケースだ。その幕間に流れた「Fullface」のMVで、僕はw.o.d.を知った。
ライヴはどれもよかったのだが、正直、この2分半のインパクトが最大だった。今どきグランジかよ! こいつら何者だ? どういうつもりだ? 脳内に無数の「!」と「?」が浮かぶが、本気であることだけは確実にわかった。
バンド名を冠した初めてのアルバム『webbing off duckling』を聴いて、その印象はさらに強まった。ザクザクとささくれたギター、引きずるようなベース、力強いドラムス。その音の隙間に、60年代後半から90年代前半までのロックの匂いが充満する。
最初に連想したのはニルヴァーナで、次がレッド・ツェッペリン。人懐っこいメロディと歌声からはブランキー・ジェット・シティも思い出した。四字熟語と曜日づくしが古風な「Wednesday」、音を揃えた言葉選びが楽しい「lala」、ニルヴァーナ(?)との出会いを綴った「みみなり」あたりの素直な歌心は、そう得られるものではない。一曲一曲が短く、言いたいことだけ言ってサッと終わる無愛想さも好ましい。
先日初めてライヴを見たが、出囃子がヴァニラ・ファッジの「涙の乗車券」という時点で不穏だった。サイトウタクヤはギターをかき鳴らしながら気怠げな歌と刺すようなシャウトを往来し、Ken Mackayはベースを頑固にピックで責める。中島元良は泣きそうな顔でドラムセットに殴りかかる。あらゆる音がデカくて重くて、歪み震えている。
小柄で華奢で、鋭利なナイフのようなサイトウと、大柄で重量のあるハンマーみたいなMackayのコントラストが抜群に色っぽい。無表情で不機嫌なのもいい。不可解であることはいつだって魅力的だ。目が離せなくなる。
少なくとも表面的には2018年感は皆無だが、それがどうした。「今、ここ」に満足しないからこそ、イマジネーションは過去へ、未来へ、海外へ、宇宙へと飛翔する。流行に背を向けて自分を貫くやつらの中からしか、希望の星は登場しない。条件は本気であることと、色気があること。その二つともw.o.d.は満たしている。
耳が痛み、目はステージに釘づけになり、心が浮き立ち、体が熱くなる。そんなロックに出会えた喜びで、僕は胸がいっぱいだ。彼らの冒険を見届けたい。
高岡洋詞(フリー編集者/ライター)
■Release Infromation
1st Full Album「webbing off duckling」
2018年9月5日発売 / 1800円(税込み) / MMNR-003
(収録曲)
1.Fullface
2.Wednesday
3.丸い真理を蹴り上げて、マリー。
4.lala
5.スコール
6.VIVID
7.Vital Signs
8.KELOID
9.みみなり
■w.o.d.「丸い真理を蹴り上げて、マリー。」Music Video
■w.o.d. presents “スペース・インベーダーズⅠ”
>2019.01.22(火) 大阪・心斎橋Pangea
出演:w.o.d.、Suspended 4th、+1band
>2019,01,25(金) 東京・下北沢 近松
出演:w.o.d.、ニトロデイ、No buses
チケット一般発売:11月10日(土)10:00~
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