人口約9,700人と、佐賀県内で2番目に小さい町、上峰町。ふるさと納税大国として有名になった町。町内にある限られた地域資源の更なる磨き上げを行うことで、新たな人の流れを作り出し、観光促進、移住・定住へとつなげていくことを目的に、積極的に町おこしを実施している。そんな上峰町が2020年より重きを置いているのが、上峰町にゆかりがあると言われる、”鎮西八郎(ヨミ:チンゼイハチロウ)”こと源為朝を顕在化した町おこし事業『鎮西八郎(源為朝)プロジェクト』だ。
上峰町には為朝が滞在した伝説が多数残されており、「鎮西山」をはじめ、地名の「屋形原」は、為朝が滞在したことに由来しています。ところが、為朝とゆかりのあることが町民にあまり浸透していなかったことから、子どもたちにも親しみやすいようにと、昨年12月、同町の公式YouTubeチャンネルで為朝伝説のショートムービー「鎮西八郎為朝」の配信をスタート。為朝をイメージして書き下ろされたテーマソング「TIME‐TO‐MORE」(ヨミ:タイム・トゥ・モア)をロックバンド・ ユニコーンが歌い、プロダクション I.Gとアニプレックスがアニメを手がけ、昨年12月、同町の公式YouTubeチャンネルで配信をスタートしたところ、300万回再生を突破いたしました!
地域資源の掘り起こしにつながるこの取り組みが評価され、9月の「京都アニものづくりAWARD」(京都市)で銅賞を受賞。さらにアニメ化希望のコメントが多数寄せられたこともあり、為朝の生涯をストーリー仕立てにすることで、為朝への理解とファンを増やそうと、本格的なWEBアニメ「鎮西八郎為朝」の制作に踏み切った。アニメのテーマは「人間愛」。暴れん坊の為朝が、家族・仲間を通じて、人間愛を感じ、一人前の大人に成長していく過程を、九州平定した拠点といわれる佐賀県上峰町「鎮西山」を舞台にアニメドラマで届ける。
その第1話がいよいよ12/2(木)より配信スタート!ナレーションは佐賀県出身の松雪泰子が務め、毎回登場する。「1話1話のムードを大切にしながら努めたい」と語る松雪泰子。18歳まで過ごしたふるさとについては、「地元佐賀県はとってものんびりできて、たくさん太陽が感じられて、自然と対話できる場所、今でも帰りたいなと思える場所です」とコメント。また、鎮西八郎(源為朝)役に『アナと雪の女王』シリーズのオラフ役などで知られる、武内駿輔の起用も決定した。更なる活性化を目指し、上峰町はアニメの制作にとどまらず、今後為朝を軸に、ひとづくり、まちづくり、しごとづくりを行っていく。
特にひとづくりという点では、人間愛が強かったと言われる為朝の生き方に、小中学生のころから触れることで高い向上心を持つ人に成長してほしいという願いが込められている。同町では、為朝が居住したと思われる山城を再現する計画もあり、為朝伝説を体感できる拠点づくりに努めていくとのことだ。アニメを見た人が「聖地巡礼」に訪れたり、町民も山城を巡ることで健康増進に役立ててほしいと考えて、歴史と伝説で上峰町の未来をつくる地域ブランディング“鎮西八郎(源為朝)プロジェクト”を全国へ広める。